今回は京奈和自動車道について取り上げたいと思います。
今年の8月19日に御所南IC~五條北ICの間が開通し、橿原高田IC~和歌山JCTまでが繋がりました。
※2017年の記事です
この開通したという情報を聞くと気になるのが無料区間はどうなるのか?ということです。
私自身も天理市から橿原方面に行くのにはかなり重宝している道路で、これが有料となると個人的にはかなり痛手です。
イオンモール橿原に行くために郡山南IC~橿原北IC開通前は国道24号線を利用していましたが40~50分くらいかかった記憶があります。
それが今や20~30分で行けてしまいます。しかも無料で。
この便利な京奈和自動車道は1973年4月に橿原バイパスとして都市計画されたところから始まっており京奈道路、大和北道路、大和・御所道路、五條道路、橋本道路、紀北東道路、紀北西道路から形成されます。
では、京奈和自動車道は今後有料になるのでしょうか?
開通したら有料になるという噂をよく聞きます。
ちなみに現在は京奈道路だけ有料です。(木津IC~城陽ICの17km区間・普通車700円)
どれくらいの区間が開通したら有料になるんだろうか?とヒヤヒヤしていたのですが・・・
結論から言いますと、ずっと無料でしょう。
これは仮に全線繋がったとしても前述の京奈道路だけ有料でその他の区間は無料になるのではないかと思います。
なぜそんなことになるのかというと管轄が違うからです。
京奈和自動車道の内、京奈道路はNEXCO西日本が管轄でその他の道路は国土交通省が管轄です。
NEXCOとは日本道路公団の民営化により発足した高速道路会社で、NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本の3社があります。
京奈和自動車道では京奈道路を除く道路は国土交通省の新直轄方式が採られています。
新直轄方式はあまり聞きなれない言葉ですが、簡単に言いますと新直轄方式により建設された高速道路の通行料は無料になると考えていいです。
なぜ無料かいうと、高速道路利用者から高速料金を回収する代わりに税金が遣われるからです。
京奈和自動車道が全線開通したとしても管轄が変わるということがない限りは京奈道路を除き無料のままでしょう。
※和歌山JCTでは有料の阪和道に接続しますが同JCTにはIC機能がないため、奈良方面から京奈和自動車道を利用して岩出根来ICを超える場合はそこから料金が発生し、逆に阪和道から京奈和自動車道に入る場合も同ICまでは料金が発生します。
そもそも新直轄方式が取られる理由は採算が取れない道路であるということが多く、大都市ならともかく地方都市では採算が取れるようになるという可能性は低いとみられます。
仮に京奈和自動車道が全線繋がれば有料という条件であったとしても、まだまだ無料だと思います。
それは大和北道路が開通する目処が立っていないからです。
大和北道路は郡山IC~奈良北IC(仮)までの区間を指しますが、国道24号線を通られる方はご存知だと思いますが一向に繋がる気配がありませんよね。
ルートは複数検討されたようです。
これらのルートの中から交通機能面で最も優れている中央エリア1が推奨されました。
中央エリア1では奈良IC~奈良北ICの間の大部分を地下にする構想です。
ただ、この地下にするというのが大きな問題点の1つのようです。
地下に道路を通すとなると地下水に影響が出る可能性があります。
奈良の重要な埋蔵文化財の1つである木簡は地下水によって守られていると言われています。
その理由は地中で、地下水によって日光や酸素に触れることがないため菌類にとって住みにくい環境になり腐食が進まないからです。
その結果1,300年以上前の木簡が腐らずに出土され文字さえも読めます。
地下水の流れが工事によって変わることで地中にある木簡が破壊されてしまうことが懸念されています
地下水への影響に関しては影響はあまりないという結論が出されていますが、実際に工事を行った時にどうなるかは未知数のため反対勢力が強いようです。
大和北道路を建設するには他にも景観や環境問題、資金等の問題もあり、かなり厳しい状況にありますが奈良県としては早期着工、平成30年代半ば供用希望のようです。
このように1973年から始まった京奈和自動車道の構想は一部を除いて実現しており、しかも京奈道路を除く区間で無料という状況です。
将来的にも無料が継続されるでしょうから京奈和自動車道が接続する地域の活性化に繋がれば良いですね。
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