No.29

MUSIC

岩佐堅志の雅楽屋ブログ

新年、明けましておめでとうございます

新年、明けましておめでとうございます。
今年もこのコラムをご愛顧の程、宜しくお願い申し上げます。去年は月イチペースの更新を目標にしておりましたが、結果は年で7回の更新。昨年の年末にも記事を一本上げようと思っていましたが結局ダメでした。とまあ、いつ更新されるか分からないコラムですが、引き続きよろしくお願いいたします。

雅楽の演奏会を企画する上で、最も大事なことは演目を決定することです。もちろん、演奏したい演目を決定すれば良いのですが、色々と制約があります。やはり、特に舞楽の際に使用する装束の問題が大きいのです。舞楽装束はとても高価で、モノによっては何千万円するものもあります。舞台衣装ですので、それっぽい装束を代用しても良いのでしょうが、私が主宰する博雅会では装束も雅楽の重要な要素である、という考えから、なるべく本物に近いものを使用するようにしています。もちろん、買える訳がありません。博雅会で舞楽「太平楽」を上演するような事があれば、それは間違いなくイワサが宝くじを当てた、と思っていただいて結構です(笑)。
夢物語は置いておきまして、それでも常に厄介な問題があります。それは「甲(かぶと)」。
甲とは、舞人が頭に装着する謂わば帽子のようなものです。

これが演目毎に変わるものがあるのです。特に私の専攻する左舞(さのまい)では、今手元に専門書が無いので正確には言えませんが例えば「賀殿」や「輪臺」などを上演する際は写真のような普通の襲装束の甲(常甲:つねかぶと、と呼ぶ)を「賀殿」用なり、「輪臺」用なりの甲に交換する必要があります。過去には常甲で「賀殿」を上演したこともありますが、分かる人には分かるのですね。アンケートで指摘されたりしますしね。
じゃあ新しく誂えれば?という話になります。それが、結構な金額になるのです。一つ10万円は下りません。それが舞人四人分とかになりますと、40万円とか50万円とか…。結構な金額です。ですので、簡単に誂えるとか、そういかないのも現実です。
今年四月、東京渋谷にて博雅会結成20周年、40回記念公演を開催します。演目は舞楽「春鶯囀(しゅんのうでん)」。これも別甲の演目です。実は昨年大阪で同じ演目を上演しましたが、その際は常甲でした。案の定、やはりアンケートで指摘されていました。この状況から脱却すべく考えたのは、「自分で作れないだろうか?」という事。考えてもみれば、雅楽は千年前から続くもので、装束や甲もまた同じ。千年前の人間が作ることが出来たものが、この科学万能の(笑)現代において作れないはずがない!パソコンやスキャナー・プリンターなどを駆使すれば案外簡単に作れるのでは無いでしょうか?と安易に考えた次第です(笑)
ということで、年末年始のお休みを利用して、試験的に作ってみました。そして出来上がったのがこちら。

どうです?それっぽく見えません?試作品の完成に気を良くした私は、この「春鶯囀」の甲の他に「賀殿」の甲の制作をその場で決めました。で、これらの仕事を外注することにしまして、先日からその業者さんで制作を開始しました。この四月には間に合わせる予定です。コストは…、詳しいことは言えませんがびっくりするぐらい安くになりましたよ。
この甲問題、コラムを読んでいる雅楽関係者の皆様は「分かる!」と共感していただけると思います。ですので、完成の暁にはレンタルも行います。お気軽にお問合せ下さい。ゆくゆくは、全ての種類の「甲」を制作し、その演目を上演したいと考えています。
ということで、「甲プロジェクト」は令和2年初頭に始動しました!

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