No.18

MUSIC

岩佐堅志の雅楽屋ブログ

天理高校求道部六十周年

天理高校には雅楽部という部はありません


画像はイメージです
久しぶりに天理に帰りました。母校の雅楽演奏会を鑑賞するためです。
私は天理高校出身ですが、実は天理高校には雅楽部はありません。あるのは「雅楽班」です。求道(きゅうどう)部という部がありまして、その中の雅楽班です。この部は天理教に関する活動を行い、その中に五つの班があり、その中の一つなのです。今年はこの求道部が発足して丁度六十周年だそうで、これは是非行かなければと思いスケジュールを調整した次第です。ちなみに私は三十三代目だったと記憶しています。ということは、今の高校生は二十七年後輩ということですね。歳も取るはずです。
二十七年前、私は高校生でした。雅楽班の活動は結構厳しく、基本日曜日を除く週6回の稽古。今、私の雅楽人生の中で一番稽古した時期はいつか?と問われると高校時代と言い切れます。それぐらいに稽古していました。私はこの高校での稽古の他に、土日は別に雅楽のプロの先生に師事して稽古していましたので、ほぼ365日稽古していました事になります。今日はオフだ、と言って楽器を手にしない今の私とは全く違う環境です(笑)。あの三年間が、間違いなく今の私の素地を作っていると言っても過言ではありません。かけがえの無い仲間も出来ましたし。雅楽演奏家・岩佐堅志の根本はこの高校時代にあります。

天理高校求道部60周年と雅楽班の活動69年

今回は求道部60周年とあって、出演する雅楽班・筝曲班以外の(活動休止の修練班以外)幼少年指導班・講演班の皆さんが裏方をされていました。我々の頃は雅楽班・筝曲班の三年間の集大成の発表会であり、班活動引退の場であったに過ぎないこの定期演奏会が、最早立派な求道部行事になっていることに感慨を受けました。求道部の活動というのはあまり無く、毎週日曜日早朝に開催するひのきしん(奉仕活動)と、夏のこどもおぢばがえりぐらいしかありません。どちらかといえば裏方、人目につかない活動がメインなのですが、それがこうして(60周年という節目ということもあるのでしょうが)晴れの場で、四班班長が揃って皆様に活動報告並びに御礼をさせて頂ける場に立ち合わせて頂けた事が、何より嬉しかったです。来年以降も、求道部全体で開催するようなこうした演奏会が企画されることをOBとして心から望みます。
さて、肝心の雅楽演奏です。私は雅楽のプロ演奏家ですので、後輩の演奏に関して雅楽に関しては、やはりシビアな目で見ざるを得ません。が、そのような目で見ても立派な、素晴らしい演奏でした。確かに細かいミスがあったり、技術的に劣る部分があるのも事実ですが、何より気持ちが良いぐらいのびのびと演奏していました。若さがなせる業でもあるのでしょうが、ここに雅楽班69年の歴史があるのでしょう(実は雅楽班は求道部より9年早く活動を開始しています)。伝統的に、天理高校雅楽班は普段は先輩が後輩を指導するというスタイル、つまりは指導者がいない。その中でどうやって稽古をしていくか?そこには、何といいますか我らプロが言うような技術とかを超えた何かが存在します。つまりは、目的は雅楽の技術習得はさておき、雅楽習得に根付いた人間形成の場でもあります。それが正に感じられた演奏でした。

雅楽活動の場を広げ、多くの方へその音を届けたい

この定期公演で引退する三年生は、天理教教会での御奉仕以外の雅楽演奏の場は極端に減るでしょう。実質的な雅楽演奏活動の終了です。昔から思うのですが、この状況を何とか出来ないものでしょうか?演奏活動を続けられないのには理由があります。それはその活動の場が無いから。仮に有望な演奏家がいたとしても、演奏の機会を失うということはその演奏家生命の終焉を意味します。今、天理ではこうした状況を打破すべく若手だけで集まって演奏・稽古の場を構築していくという動きがあると聞きました。素晴らしいことです。閉塞している雅楽の世界に新たな流れを起こして欲しい、母校の高校生の真摯な雅楽には本当に心が打たれ、そういう希望まで見えたような気がしました。
もちろん、私も負けてはいません。私は天理高校求道部雅楽班出身のプロ雅楽演奏家です。「雅楽でもプロになれる」という具体像として、後輩に尊敬の眼差しで見られるような、そんな演奏家を目指します。雅楽の世界は難しいことは確かですが、夢もあり希望もあります。皆に笑われるのですが、私は高校時代の青春は雅楽班でした。雅楽で泣いたり笑ったり。でもそれは決して粗末なものではなく、かけがえの無いものです。思いがあれば通じます。後輩の皆にも、どうか稽古だけは続けて欲しい、その先には必ず何かがあるはずです。そしてそんな後輩と同じ舞台で演奏出来る日があれば、これほど嬉しいことは無いですね。

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