No.11

READING

万巻の書を読み、ホンドーリをゆく。

箸もてば

読書の秋もたけなわでしょうか。天理大学図書館での「漱石生誕150周年記念展」では「火事」の直筆原稿に、天理参考館では「古典の至宝」では源氏物語池田本に、それぞれ胸熱!贅沢な体験をさせてもらった今秋でした。恒例になっている、アメトーーク!の読書芸人も放送されましたね。普段テレビで拝見している芸人さんがどんな本を読んでおられるのか知れると、バラエティ番組や、ネタなんかであんな事言ってたけどこんな本を読んでらっしゃるからなのね、と裏付けをとった気になれて面白いですね。又吉さんが古井由吉先生の作品、お好きなんだなぁというのが伝わってきたのが個人的にハイライトでした。しみじみなんか好きってわかるなぁ。
一雨ごとに寒くなる、こんな時期にしみじみと読んだ本について。

「箸もてば」/石田千

未婚アラフィフ女性のエッセイという点では以前取り上げさせていただいた酒井順子さんと共通ですが、スタイルは真逆なくらいの1冊です。酒井先生がフィナンシェなら、石田先生は海苔巻き煎餅のような。。どちらも大好きで順番に食べたくなるような。。。この本は食にまつわるお話がおさめられていて、読んでいると食べたくるものが沢山ありました。百万円の札束ほどのレタスをはさんだサンドイッチ、ふろふき大根、豆を水でもどして使い切る暮らし。あぁ、地味!しかし日本人が遺伝子レベルで嬉しいことが沢山書いてあるのです。読んでいて、そうだ、わたし、そうゆうのが食べたかった、と手帳に食べたくなったものをつらつらと書き並べてしまいました。食、から発展してひなまつりのあられから幼少時代の記憶、風邪をひいたときにいつも食べていたもの、旅先で知った味とのその後、もう絶対に会えなくなった人と食べたものの記憶、などをやわらかく丁寧に文章にされてあります。台所に立てるようになれば大丈夫。食べていれば大丈夫。食べるという行いは、生きていく上でとても重要なことであり、同じ日本人でも、同じ家族でも、夫婦でも違う習慣があって面白いものです。食べたものや、食べた経験がその後のその人をその人たらしめてゆく。石田先生がどんなに呑んべえであろうと、清廉さを感じるのは大豆や、大根や、恩人や、親や、生きていると関わるものすべてに素直に暮らしていらっしゃるからではないでしょうか。どうしたら乗り切れるのかというほど暑い夏には冷奴、からっ風に心までさみしくなりそうな時には厚揚げ。もっと真面目に箸を持とう、と背筋がシャンとなりました。

COLUMN

おすすめコラム

こちらも読まれています

import_contacts
READ MORE

常識を検証する力

科学的という確実な不確実

import_contacts
READ MORE

1、2の、3、☆C☆!

脳とマジック

import_contacts
READ MORE

元理系男子の舞台と花火と脚本戦記

稽古場

import_contacts
READ MORE

RQ Lover

レースクイーンの罪

import_contacts
READ MORE

天理市民なら知っておきたい○○!

これだけは知っておきたい!京奈和自動車道

NEW
import_contacts
READ MORE

どきっ! 猿でも楽しめるネット冒険!

天理市民(関西人)を理解する為に必要な20+1の説明書

import_contacts
READ MORE

岩佐堅志の雅楽屋ブログ

大道芸と雅楽

天理系  Copyright (C) 2017 Tenrikei. All Rights Reserved.